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2011年7月

2011年7月17日 (日)

開かない戸を・・・

むかし評論家小林秀雄さんの日常の言動を、妹の高見沢潤子さんが本に書いていて、とても印象に残っているエピソードがあります。小林秀雄さんは、その緻密な文章とはうらはらに、生活においてはけっこうそそっかしいところがあったようです。住み慣れた部屋に、使われなくなって閉じきりの戸があったそうですが、高見沢さんの記述によると、ときどき開かないはずの戸を一所懸命開けようとしている兄の姿があったそうです。どうして開かないのだろうと・・・

このエピソードで連想するのですが、心の安定にとってとても重要なことがあります。それは人間関係やもろもろの嫌なことがらで、自分がストレスを感じたときに、こう自問してみることです。

これって、開かない戸を開けようとしていないか?
開かないことをまだ自分はわかっていないかもしれない。

具体的には、こういうことです。
他人のこころの中をコントロールできないのに、こちらの思うようにしてくれないと悩む。
あるいは人の行動について、こうしてほしいと思っているのにそうならず気苦労する。

自分で制御できるのは自分の言動です。それだけです。
しかし人のことが気になってしまう。自分の思うようになってほしい。これは家族でも親子でも恋人でも例外はありません。

本来開かない戸を、一所懸命に開けようと気苦労しているのですね。実に、多いです。
でもいくら気苦労しても、実を結ぶことはありません。上下関係を利用して、あるいは親子関係を使ってそれを実現させようとすれば、いつか関係が破綻してしまいます。

思いのままになるという幻想を胸にいだいて行なう言動は、必ず失敗する、というのが法則ですね。その思いは幻想ではないか?開かない戸ではないか?それも見極めるだけで、かなり気持ちはすっきりします。

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